DRAGON QUEST IV 北米版プレイ日記(18)
それでは今回より第2章スタートです。

「Chapter 2:
Alena and the Journey to the Tourney」
「第2章:
アリーナとトーナメントへの旅」
「tourney」=「tournament(トーナメント、勝ち抜き試合)」
おそらく、「Journey(ジャーニー)」から続く語呂の良さとして「Tourney(ターニー)」の方にしているのだと思われる。
第1章と同じように「かなり具体的な」タイトルになっていますね。
日本版では「おてんば姫の冒険」というタイトルでした。
北米版のタイトルにある「トーナメント」とは、この第2章で起こる「とあるイベント」のことです。
これについてはまた改めて後日解説することにします。
「Alena(アリーナ)」とは「女性名」で、一番右端の「女の子」の名前です。
この章の「主人公」は彼女で、「若い男性」と「老人」は彼女の仲間たちです。
彼女らの詳しい説明は次回にまわします。
それでは「Chapter 2」の「オープニング・ナレーション」に入っていきましょう。

「Once upon a time, in a land far away,
there was a tomboy princess called Tsarevna Alena.」
「昔々、遠く離れたとある国に、
ザーレヴナ・アリーナと呼ばれるお転婆なお姫様がいた。」
「Once upon a time(ワンス・アポン・ア・タイム)」=童話などの冒頭に用いる。「昔々」などに相当。
「tomboy(おてんば娘、じゃじゃ馬娘)」
日本版のタイトルだった「おてんば姫」という要素が「a tomboy princess」として反映されていますね。
…いや、そんなことより……
「Tsarevna」ってなんだよ!?読めねぇぇぇ!!!
これは「英語読み」で読めば、おそらく「ザーレヴナ」となると思います。
が、ちょっと調べてみても「本当にそうなのか」分からなかったため、
この日記では「ザーレヴナ」ということにします(笑)
もしかしたら語感からなんとなく分かるかもしれませんが、これはロシア語の単語です。
ロシア語で使用されるキリル文字で記載すると「Царевна」となり、「皇女」を意味します。
「皇帝」と「皇后」の「息女」という意味です。
「帝政を敷いていた時代のロシア」における「皇女(こうじょ)」を表す単語なのです。
ロシア帝国(ロシアていこく、ロシア語: Российская империя ラスィーイスカヤ・インピェーリヤ)は、
1721年から1917年までに存在した帝国である。
ロシアを始め、フィンランド、リボニア、リトアニア、ベラルーシ、ウクライナ、ポーランド、カフカーズ、
中央アジア、シベリア、満州などのユーラシア大陸の北部を広く支配していた。
帝政ロシア(ていせいロシア)とも呼ばれる。
~Wikipediaより~
「Tsarevna」は、英語においては「Princess」と同義ですが、日本語においては「姫」よりも「格上」の「皇女」となります。
「姫」が「一国の君主の娘」であるのに対して、「皇女」は「多数の国を纏めて統治している皇帝の娘」を意味するからです。
しかし、当ゲーム「DRAGON QUEST IV」内における「Tsarevna Alena」は、
(英語の意味としては)おそらく単純に「Princess Alena」という意味でしかなく、
日本語における「皇女」というニュアンスは無い、と思われます(理由はおいおい解かります)。
第1章のバーランドが「北欧的、あるいはスコットランド的イメージの国」だったのと同様に、
第2章では「ロシア的雰囲気を出すために、
「Princess」とすべきところに敢えてロシア語の「Tsarevna」という単語を使っている」
というだけのことなのだろうと思います。
いや何故ロシア?という当然の疑問が浮かぶわけですが^^;
それは次回の「Tsarevna Alena」の人物紹介時に併せて解説します。
なお、当日記では「Tsarevna Alena」は、そのままカタカナで「ザーレヴナ・アリーナ」と書くことにします。
しかし、場合によってはザーレヴナを日本語訳して「アリーナ皇女」と書く場面も出てくるかもしれません。
その場合は「tsarevna」という単語が持つ「背景の意味」を反映させて「皇女」と記載します。
しかし、しつこいようですが「英文では”皇女”の意味はなく、あくまで”姫”」であることに注意してください。
それではゲームに戻ります。

「Her rough and tumble ways were a constant concern to her father, Tsar Stepan.
One morning, he summoned her to his throne room...」
「彼女の粗野で乱雑な行動の数々には、彼女の父、ザー・ステパンも常日頃から頭を悩ませていた。
ある朝、皇帝ステパンは玉座の間に彼女を呼び出した…」
「rough(乱暴な、手荒な、粗野な)」
「tumble(転倒、混乱、乱雑)」
「constant(一定の、絶えず続く)」
「concern(心配、懸念)」
「Tsar(ザー)」は、「ロシア帝国皇帝」を意味するロシア語で、キリル文字では「Царь」と書きます。
やはりザーレヴナ・アリーナの父も、ロシア的な雰囲気を持った「皇帝」のようですが、
この「Tsar」も、先程の「Tsarevna」が「皇女」という意味ではないように、本来の「皇帝(Emperor)」という意味ではなく、
単純に「King(王)」の代わりとして使われているだけだと思います。
そして、彼の名前は「Stepan(ステパン)」ですが、日本版では彼に固有名詞はなかったと思います。
「Stepan」は英語での「Stephen」あるいは「Steven」(どちらも読みはスティーブン)に相当する名前です。
これがロシア語表記では「Стефан」あるいは「Степан」となり、それを「英語アルファベットに直した」ものが「Stepan」です。
とにかく第2章では、のっけから「ロシア語づくし」で、
アリーナ皇女やステパン皇帝の国は「ロシアの雰囲気」が非常に色濃いですね。
おそらく彼らの話す言葉も「ロシア訛りが強い」英語なのでしょう。
しかし、ここでは結論から先に言ってしまいますが、
「ロシア訛り(Russian English)」には、第1章の「スコットランド訛り(Scottish English)」のような
「記載上の」独特な表記法というものはほとんどありません。
ですので、「ゲームのセリフ」としては「標準の英語とほぼ大差ない」ということになります。
でも「実際の発音」には「ロシア訛り独特の発音」があるのです。
映画などでも「ロシア系アメリカ人」や「ロシア人」たちは「独特の発音」で英語を話しています。
…もちろん、「ロシア訛りの発音」を全くしていないロシア人の方もいますけどね^^;
ま、機会があればぜひ注意して聞いてみてください。
「あ、この人ロシア人だ。」と分かる、独特の「巻き舌を多用したような英語」を聞くことが出来ると思います。
さて、当日記では「スコットランド訛り」を「東北弁」として翻訳していました。
それは「Scottish English」には「一見してそれと分かる」違いがあったからです。
しかし「Russian English」にはそれがありません。
ということは、「標準語の日本語訳」にすればいいのでしょうか?
別にそれでいいじゃん。
…それは確かにそうなんですが…そうなんですが!
それじゃツマラン!!!
という、完全な私の趣味により^^;
ここでも「標準語の日本語訳」にはしません!(笑)
だって、訛りは在るのですから(笑)
じゃあどうすんの?
というわけでいろいろ考えました。
「DRAGON QUEST V」のプレイ日記において記載しましたが、
ロシア語の文字の「キリル文字」というのは、ギリシア語由来の文字なのです。
アメリカなどでは「ギリシア語」や、それから派生した「キリル文字」には「古典文字である」という認識があります。
その証拠に「古代から生きている」という設定の「DRAGON QUEST V」のラスボスは、
「セリフが全てキリル文字で書かれている」という演出がありました。
また、「DRAGON QUEST V」プレイ日記を書いている時は気付きませんでしたが、
「「DRAGON QUEST V」内に登場しているモンスターたちは「ロシア訛り」だった」のです。
纏めると、「ロシア語には古語の”雰囲気”がある」となります。
じゃあ「古文調」にするのか?とも思いましたが、
しかし「ロシア訛り」はあくまで「訛り」であり、「古語」ではない「生きた現代語」なのです。
そして、記載方も英語においては「通常と大差ない」わけで、
あくまで肉声で発した時の「イントネーションや発音の仕方」が違うだけ、ということになります。
これらから私が導き出した結論は……
よし!「関西弁」にしよう!
でした(笑)
ここでまた改めて書いておきますが、「東北弁」同様「関西弁」というのも「厳密には」存在しません。
ましてや「関西」とは「関所の西」というような意味であり、非常に広範囲の地域を指す言葉です。
現代では「大阪、京都、兵庫、滋賀、奈良、和歌山の2府4県」を指すのが一般的ですが、
それより広範囲を指す場合もあります。
これは本題ではありませんので、もっと詳しいことは各自で調べてください(笑)
多分全国的には「関西弁=大阪弁」という意味合いで用いられていると思われます。
というわけで「大阪弁(関西弁)っぽい日本語訳」にしようと思いますが、
問題はその「理由」ですね。
「京阪奈(京都、大阪、奈良)」は、古代より長い間「日本の中心」でした。
歴代の天皇が居を構えていたり当時の日本経済の拠点であったり、
文字通り日本の政治経済の「中心地」だったのです。
故に、その「古代より続く」関西の言葉には、現代では「古語」に分類されるような言葉の名残が数多く見て取れます。
ですが「関西弁」は、同時に「現代に生きる、生きた現代語」でもあるのです。
そして「関東の標準語」に対して、「関西の関西弁」は、
「方言」という範疇を超えた「もう一つの日本語」といっても過言ではない存在感があると思います。
これらの理由から、「Russian English」と「関西弁」に「共通点の多いニュアンス」を感じ取った、というわけです。
はい、かなり苦しいですね^^;
正直コジツケもいいとこだと思います(笑)
そもそも「Russian English」には「関西弁」ほどの「存在感」はありませんし^^;
ま、やっぱり一番大きな理由は
私が「関西弁の日本語訳」を書きたいからなんですよね、結局(笑)
ただし、「ロシア訛り」は「字面からは訛ってるように見えない」ようでも、実際は「ちゃんと訛りがある」ので、
「訛りがないのに」無理矢理関西弁で書いてるわけでもありませんよ^^;
さあ、それでは関西弁の第2章、本格的幕開けです!(笑)

*:「Your Highness! Tsarevna Alena!
Your father awaits you.」
*:「皇女殿下!ザーレヴナ・アリーナ様!
お父上様がお待ちです!」
「Your Highness」=「殿下」。
このセリフ、「英文」も「日本語訳」もどちらも一見訛ってないように見えますが、
両方とも「イントネーションや発音法」が「標準語」とは異なっているのです。
しかし、こればっかりは「文章では」表現しきれません^^;
読む時に、それぞれの「イントネーションや発音法」に脳内変換して読んでください(笑)

Tsar Stepan
「There you are, Alena.
I hear from old Borya that you desire to journey for the purpose of testing your strengths, no?」
ザー・ステパン
「来よったな、アリーナ。
ボーリャ翁から聞いたで、自分の力を試す旅に出たい言うて騒いどんのやってな、せやろ?」
「desire(強く望む、欲求する)」
「purpose(目的、意図)」
ここから「関西弁」が色濃くなってきます(笑)
ただし、私の日本語訳は、あくまで「関西弁」っぽいだけですので、
その辺はどうかご了承ください^^;
一方英文の方では、最後に「no?」と聞いていますね。
これが「ロシア訛り」です。
…もちろん「ロシア訛り」以外の訛りでも使われる表現ですので、「ロシア訛り特有」というわけでもありませんが^^;
通常なら「don't you?」となります。
なお、セリフ内に出てきた「Borya」は「人名」ですが、やはりこれの解説は次回です(笑)

Tsar Stepan
「Yoy! This cannot occur. You are a lady.
In addition, you are tsarevna of this beautiful land.」
ザー・ステパン
「アカン!そんなことは許されへんで。お前は女なんやぞ。
もっと言うたらな、お前はこの美しい国の皇女なんや。」
「Yoy!」=「驚き」などを表す「間投詞」。ロシア訛り。
「occur(生じる、発生する)」
「In addition(ほかに、さらに)」

Tsar Stepan
「I cannot permit that you venture into a world of monsters
and danger merely for to challenge abilities.」
ザー・ステパン
「モンスターが蔓延る外の世界に出ていく、なんてこと許可できるわけないやろ、
そんなとこで力量を試す言うたってな、そんなんただ危険なだけやないか。」
「venture(思い切ってやる、危険を顧みず敢行する)」
「merely(単に)」=「only」
「ability(能力、技量、力量)」

Tsar Stepan
「Remember: the Goddess takes care of the one who takes care of himself.
I prohibit that you set feet outside of castle.」
ザー・ステパン
「女神さんに気ぃ付けてもらえるもんは、己自身によーく気ぃ付けとるもんだけやってよう言うてるやろ。
(とにかく)城の外に足ぃ踏み出すんは禁止やからな。」
「prohibit(禁ずる、禁止する)」
いや~、関西弁にして良かった!(笑)
日本版とはかなり違った印象になっていますね(笑)
バーランドの「東北弁」もそうでしたが、日本版との違いが如実に出せるので、
翻訳していてとても楽しいです(笑)
さて、どうやら相当な「tomboy(おてんば娘)」であるらしい「Alena」。
そのおてんばぶりに「父である皇帝」もかなり心配させられているようですね。
しかし、概ね「父親の言う通り」のような気もしますが^^;
多分アリーナ皇女様は「納得していない」んでしょうね^^;
さて、それでは次回、城の中を歩いて他の人々にも話を聞きたいと思います。
ただし、まず冒頭では「Tsarevna Alena」の、そしてゆくゆくは「仲間となる者たち」の紹介もしていきたいと思います。

「Chapter 2:
Alena and the Journey to the Tourney」
「第2章:
アリーナとトーナメントへの旅」
「tourney」=「tournament(トーナメント、勝ち抜き試合)」
おそらく、「Journey(ジャーニー)」から続く語呂の良さとして「Tourney(ターニー)」の方にしているのだと思われる。
第1章と同じように「かなり具体的な」タイトルになっていますね。
日本版では「おてんば姫の冒険」というタイトルでした。
北米版のタイトルにある「トーナメント」とは、この第2章で起こる「とあるイベント」のことです。
これについてはまた改めて後日解説することにします。
「Alena(アリーナ)」とは「女性名」で、一番右端の「女の子」の名前です。
この章の「主人公」は彼女で、「若い男性」と「老人」は彼女の仲間たちです。
彼女らの詳しい説明は次回にまわします。
それでは「Chapter 2」の「オープニング・ナレーション」に入っていきましょう。

「Once upon a time, in a land far away,
there was a tomboy princess called Tsarevna Alena.」
「昔々、遠く離れたとある国に、
ザーレヴナ・アリーナと呼ばれるお転婆なお姫様がいた。」
「Once upon a time(ワンス・アポン・ア・タイム)」=童話などの冒頭に用いる。「昔々」などに相当。
「tomboy(おてんば娘、じゃじゃ馬娘)」
日本版のタイトルだった「おてんば姫」という要素が「a tomboy princess」として反映されていますね。
…いや、そんなことより……
「Tsarevna」ってなんだよ!?読めねぇぇぇ!!!
これは「英語読み」で読めば、おそらく「ザーレヴナ」となると思います。
が、ちょっと調べてみても「本当にそうなのか」分からなかったため、
この日記では「ザーレヴナ」ということにします(笑)
もしかしたら語感からなんとなく分かるかもしれませんが、これはロシア語の単語です。
ロシア語で使用されるキリル文字で記載すると「Царевна」となり、「皇女」を意味します。
「皇帝」と「皇后」の「息女」という意味です。
「帝政を敷いていた時代のロシア」における「皇女(こうじょ)」を表す単語なのです。
ロシア帝国(ロシアていこく、ロシア語: Российская империя ラスィーイスカヤ・インピェーリヤ)は、
1721年から1917年までに存在した帝国である。
ロシアを始め、フィンランド、リボニア、リトアニア、ベラルーシ、ウクライナ、ポーランド、カフカーズ、
中央アジア、シベリア、満州などのユーラシア大陸の北部を広く支配していた。
帝政ロシア(ていせいロシア)とも呼ばれる。
~Wikipediaより~
「Tsarevna」は、英語においては「Princess」と同義ですが、日本語においては「姫」よりも「格上」の「皇女」となります。
「姫」が「一国の君主の娘」であるのに対して、「皇女」は「多数の国を纏めて統治している皇帝の娘」を意味するからです。
しかし、当ゲーム「DRAGON QUEST IV」内における「Tsarevna Alena」は、
(英語の意味としては)おそらく単純に「Princess Alena」という意味でしかなく、
日本語における「皇女」というニュアンスは無い、と思われます(理由はおいおい解かります)。
第1章のバーランドが「北欧的、あるいはスコットランド的イメージの国」だったのと同様に、
第2章では「ロシア的雰囲気を出すために、
「Princess」とすべきところに敢えてロシア語の「Tsarevna」という単語を使っている」
というだけのことなのだろうと思います。
いや何故ロシア?という当然の疑問が浮かぶわけですが^^;
それは次回の「Tsarevna Alena」の人物紹介時に併せて解説します。
なお、当日記では「Tsarevna Alena」は、そのままカタカナで「ザーレヴナ・アリーナ」と書くことにします。
しかし、場合によってはザーレヴナを日本語訳して「アリーナ皇女」と書く場面も出てくるかもしれません。
その場合は「tsarevna」という単語が持つ「背景の意味」を反映させて「皇女」と記載します。
しかし、しつこいようですが「英文では”皇女”の意味はなく、あくまで”姫”」であることに注意してください。
それではゲームに戻ります。

「Her rough and tumble ways were a constant concern to her father, Tsar Stepan.
One morning, he summoned her to his throne room...」
「彼女の粗野で乱雑な行動の数々には、彼女の父、ザー・ステパンも常日頃から頭を悩ませていた。
ある朝、皇帝ステパンは玉座の間に彼女を呼び出した…」
「rough(乱暴な、手荒な、粗野な)」
「tumble(転倒、混乱、乱雑)」
「constant(一定の、絶えず続く)」
「concern(心配、懸念)」
「Tsar(ザー)」は、「ロシア帝国皇帝」を意味するロシア語で、キリル文字では「Царь」と書きます。
やはりザーレヴナ・アリーナの父も、ロシア的な雰囲気を持った「皇帝」のようですが、
この「Tsar」も、先程の「Tsarevna」が「皇女」という意味ではないように、本来の「皇帝(Emperor)」という意味ではなく、
単純に「King(王)」の代わりとして使われているだけだと思います。
そして、彼の名前は「Stepan(ステパン)」ですが、日本版では彼に固有名詞はなかったと思います。
「Stepan」は英語での「Stephen」あるいは「Steven」(どちらも読みはスティーブン)に相当する名前です。
これがロシア語表記では「Стефан」あるいは「Степан」となり、それを「英語アルファベットに直した」ものが「Stepan」です。
とにかく第2章では、のっけから「ロシア語づくし」で、
アリーナ皇女やステパン皇帝の国は「ロシアの雰囲気」が非常に色濃いですね。
おそらく彼らの話す言葉も「ロシア訛りが強い」英語なのでしょう。
しかし、ここでは結論から先に言ってしまいますが、
「ロシア訛り(Russian English)」には、第1章の「スコットランド訛り(Scottish English)」のような
「記載上の」独特な表記法というものはほとんどありません。
ですので、「ゲームのセリフ」としては「標準の英語とほぼ大差ない」ということになります。
でも「実際の発音」には「ロシア訛り独特の発音」があるのです。
映画などでも「ロシア系アメリカ人」や「ロシア人」たちは「独特の発音」で英語を話しています。
…もちろん、「ロシア訛りの発音」を全くしていないロシア人の方もいますけどね^^;
ま、機会があればぜひ注意して聞いてみてください。
「あ、この人ロシア人だ。」と分かる、独特の「巻き舌を多用したような英語」を聞くことが出来ると思います。
さて、当日記では「スコットランド訛り」を「東北弁」として翻訳していました。
それは「Scottish English」には「一見してそれと分かる」違いがあったからです。
しかし「Russian English」にはそれがありません。
ということは、「標準語の日本語訳」にすればいいのでしょうか?
別にそれでいいじゃん。
…それは確かにそうなんですが…そうなんですが!
それじゃツマラン!!!
という、完全な私の趣味により^^;
ここでも「標準語の日本語訳」にはしません!(笑)
だって、訛りは在るのですから(笑)
じゃあどうすんの?
というわけでいろいろ考えました。
「DRAGON QUEST V」のプレイ日記において記載しましたが、
ロシア語の文字の「キリル文字」というのは、ギリシア語由来の文字なのです。
アメリカなどでは「ギリシア語」や、それから派生した「キリル文字」には「古典文字である」という認識があります。
その証拠に「古代から生きている」という設定の「DRAGON QUEST V」のラスボスは、
「セリフが全てキリル文字で書かれている」という演出がありました。
また、「DRAGON QUEST V」プレイ日記を書いている時は気付きませんでしたが、
「「DRAGON QUEST V」内に登場しているモンスターたちは「ロシア訛り」だった」のです。
纏めると、「ロシア語には古語の”雰囲気”がある」となります。
じゃあ「古文調」にするのか?とも思いましたが、
しかし「ロシア訛り」はあくまで「訛り」であり、「古語」ではない「生きた現代語」なのです。
そして、記載方も英語においては「通常と大差ない」わけで、
あくまで肉声で発した時の「イントネーションや発音の仕方」が違うだけ、ということになります。
これらから私が導き出した結論は……
よし!「関西弁」にしよう!
でした(笑)
ここでまた改めて書いておきますが、「東北弁」同様「関西弁」というのも「厳密には」存在しません。
ましてや「関西」とは「関所の西」というような意味であり、非常に広範囲の地域を指す言葉です。
現代では「大阪、京都、兵庫、滋賀、奈良、和歌山の2府4県」を指すのが一般的ですが、
それより広範囲を指す場合もあります。
これは本題ではありませんので、もっと詳しいことは各自で調べてください(笑)
多分全国的には「関西弁=大阪弁」という意味合いで用いられていると思われます。
というわけで「大阪弁(関西弁)っぽい日本語訳」にしようと思いますが、
問題はその「理由」ですね。
「京阪奈(京都、大阪、奈良)」は、古代より長い間「日本の中心」でした。
歴代の天皇が居を構えていたり当時の日本経済の拠点であったり、
文字通り日本の政治経済の「中心地」だったのです。
故に、その「古代より続く」関西の言葉には、現代では「古語」に分類されるような言葉の名残が数多く見て取れます。
ですが「関西弁」は、同時に「現代に生きる、生きた現代語」でもあるのです。
そして「関東の標準語」に対して、「関西の関西弁」は、
「方言」という範疇を超えた「もう一つの日本語」といっても過言ではない存在感があると思います。
これらの理由から、「Russian English」と「関西弁」に「共通点の多いニュアンス」を感じ取った、というわけです。
はい、かなり苦しいですね^^;
正直コジツケもいいとこだと思います(笑)
そもそも「Russian English」には「関西弁」ほどの「存在感」はありませんし^^;
ま、やっぱり一番大きな理由は
私が「関西弁の日本語訳」を書きたいからなんですよね、結局(笑)
ただし、「ロシア訛り」は「字面からは訛ってるように見えない」ようでも、実際は「ちゃんと訛りがある」ので、
「訛りがないのに」無理矢理関西弁で書いてるわけでもありませんよ^^;
さあ、それでは関西弁の第2章、本格的幕開けです!(笑)

*:「Your Highness! Tsarevna Alena!
Your father awaits you.」
*:「皇女殿下!ザーレヴナ・アリーナ様!
お父上様がお待ちです!」
「Your Highness」=「殿下」。
このセリフ、「英文」も「日本語訳」もどちらも一見訛ってないように見えますが、
両方とも「イントネーションや発音法」が「標準語」とは異なっているのです。
しかし、こればっかりは「文章では」表現しきれません^^;
読む時に、それぞれの「イントネーションや発音法」に脳内変換して読んでください(笑)

Tsar Stepan
「There you are, Alena.
I hear from old Borya that you desire to journey for the purpose of testing your strengths, no?」
ザー・ステパン
「来よったな、アリーナ。
ボーリャ翁から聞いたで、自分の力を試す旅に出たい言うて騒いどんのやってな、せやろ?」
「desire(強く望む、欲求する)」
「purpose(目的、意図)」
ここから「関西弁」が色濃くなってきます(笑)
ただし、私の日本語訳は、あくまで「関西弁」っぽいだけですので、
その辺はどうかご了承ください^^;
一方英文の方では、最後に「no?」と聞いていますね。
これが「ロシア訛り」です。
…もちろん「ロシア訛り」以外の訛りでも使われる表現ですので、「ロシア訛り特有」というわけでもありませんが^^;
通常なら「don't you?」となります。
なお、セリフ内に出てきた「Borya」は「人名」ですが、やはりこれの解説は次回です(笑)

Tsar Stepan
「Yoy! This cannot occur. You are a lady.
In addition, you are tsarevna of this beautiful land.」
ザー・ステパン
「アカン!そんなことは許されへんで。お前は女なんやぞ。
もっと言うたらな、お前はこの美しい国の皇女なんや。」
「Yoy!」=「驚き」などを表す「間投詞」。ロシア訛り。
「occur(生じる、発生する)」
「In addition(ほかに、さらに)」

Tsar Stepan
「I cannot permit that you venture into a world of monsters
and danger merely for to challenge abilities.」
ザー・ステパン
「モンスターが蔓延る外の世界に出ていく、なんてこと許可できるわけないやろ、
そんなとこで力量を試す言うたってな、そんなんただ危険なだけやないか。」
「venture(思い切ってやる、危険を顧みず敢行する)」
「merely(単に)」=「only」
「ability(能力、技量、力量)」

Tsar Stepan
「Remember: the Goddess takes care of the one who takes care of himself.
I prohibit that you set feet outside of castle.」
ザー・ステパン
「女神さんに気ぃ付けてもらえるもんは、己自身によーく気ぃ付けとるもんだけやってよう言うてるやろ。
(とにかく)城の外に足ぃ踏み出すんは禁止やからな。」
「prohibit(禁ずる、禁止する)」
いや~、関西弁にして良かった!(笑)
日本版とはかなり違った印象になっていますね(笑)
バーランドの「東北弁」もそうでしたが、日本版との違いが如実に出せるので、
翻訳していてとても楽しいです(笑)
さて、どうやら相当な「tomboy(おてんば娘)」であるらしい「Alena」。
そのおてんばぶりに「父である皇帝」もかなり心配させられているようですね。
しかし、概ね「父親の言う通り」のような気もしますが^^;
多分アリーナ皇女様は「納得していない」んでしょうね^^;
さて、それでは次回、城の中を歩いて他の人々にも話を聞きたいと思います。
ただし、まず冒頭では「Tsarevna Alena」の、そしてゆくゆくは「仲間となる者たち」の紹介もしていきたいと思います。
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