Phoenix Wright Ace Attorney(逆転裁判)北米版プレイ日記(75)
今回はちょっと番外編です。
前回のセリフの中で重要なポイントがありましたので、今回はそこを解説したいと思います。
Phoenix
「(”$1,000.00”... wow, big spender!)」
フェニックス
「(”1,000ドル”…うわ、これはまた随分気前よく使ったもんだな!)」
前回フェニックスが「レシートの購入金額」を見た時の場面ですね。
この場面の何が重要かというと、通貨単位が「$(ドル)」になっている、ということです!
…ふーん。で?
北米版なんだから当たり前だろ!
はい、その通りですね。(笑)
当ゲーム「Phoenix Wright Ace Attorney」は「北米(北アメリカ)向け」に発売されたソフトです。
ゲーム内の通貨単位に「$(米ドル)」が使われていても何ら不思議ではありません。
しかし、このゲームは「日本で発売された日本製のゲーム」である「逆転裁判(の北米版)」でもあるのです!
うん。で、何が言いたいの?
それでは解説したいと思います。(笑)
まず、「逆転裁判」の舞台は「現代日本」です。
劇中で具体的に「日本のどこ」という描写はありませんが、
雰囲気的に首都圏、あるいはその近郊、もしくは隣接県の都市をモデルにしていると思います。
そして何より「登場人物のほとんど全てが日本人」であることから、
「舞台は日本のどこかの架空の街」であることは間違いありません。
日本版のこの場面でも、金額は忘れましたが、少なくとも通貨単位は「円」でした。
一方北米版では、この場面で使われている通貨単位が「ドル(アメリカドル)」になっています。
また登場人物も全て「英語圏の人名」に改名されており、
現時点で各人物の「人種」までははっきりしていませんが、
少なくとも「日本人」である人物は「今のところ登場していない」と思われます。
結論を言いますと、「日本版の逆転裁判の世界」は「現代日本」でしたが、
「北米版のPhoenix Wright Ace Attorneyの世界」は「現代アメリカ」なのです。
今更なんだよ、そんなことか。
北米で発売されてるんだから、そんなの当たり前だろ!
ま、その通りですね。(笑)
「日本産のゲーム」ですが、だからと言って「舞台を日本のまま」にしておく必然性はあまりありません。
むしろ「舞台はアメリカ」に変えた方が、「アメリカ人に対して」感情移入させやすいことでしょう。
この改変は至って当たり前のことなのです。
重要なのは、
「日本が舞台」という前提で制作されたこのゲームの「各種設定」や「情景描写」などは、
「舞台が日本だから」不自然さがないと言えるわけです。
当たり前ですね。
しかし、「アメリカが舞台」に変わっているのなら、
当然そこには「日本とアメリカの違い」からくる「不自然さ」が出てきてしまうかもしれません。
これも当たり前ですね。
「社会や文化そのもの」が日本とアメリカでは違います。
価値観も宗教観も、何もかも。
…勿論日本とアメリカで「共通している部分」も多いですけどね。
おそらく日本語から英語にローカライズするにあたって、
これらの「不自然さや違和感」が出ないように上手く調整されているのだとは思います。
少なくとも「現時点まで」ではそういったものがあまり出てきていないと思いますが、
やはり「フェイの超能力」すなわち「霊媒」に対しては
「この先大丈夫なのだろうか?違和感なく表現できるのか?」という思いがあります。(私には。^^;)
また、「エイプリルにキスされたベルボーイ」の表現も、
日本版と北米版ではニュアンス的に「若干」変更されています。(詳しくはこちらを参照してください。)
この辺りは「違和感なく自然に」上手く改変が行われていると思います。
おそらくこれから出てくる「日本特有と思われる描写」についても「上手く変更」されているのだと思いますが。
ハッキリ言いまして、
そういう「描写やニュアンスの変更」が
楽しみで楽しみで、しょうがありません!(笑)
これはまさに「北米版プレイ日記」の醍醐味と言えると思います!(笑)
はい、今回の日記では、解説というよりただこれが言いたかっただけです。(笑)
それでは引き続き、今までスルーしていた部分の解説をしたいと思います。(私が思いつく範囲で。^^;)
まずはこれ。
???
「Like... burgers! I could really go for a good burger.」
???
「例えば…バーガー!私、美味しいバーガーのためなら、どこへでも行くよ!」
この場面は、本エピソード冒頭での「マヤとミアの電話での会話」の一幕です。
ミアが「夕飯を一緒に食べに行こう。何を食べに行きたい?」と聞いたのに対し、
このセリフを発した人物(マヤ)は「burger(ハンバーガー)」を食べに行きたい!と返した場面です。
日本版の「綾里真宵」はこの場面で「ミソラーメン」と言いますが、北米版では「burger」に変わっていますね。
これは、この後も随所で出てくる「Maya Fey(綾里真宵)」の「大好物」なのですが、
彼女の人物設定からして「大好物は大衆食」である必要があります。
「高級料理ではないが、美味しくて人気のある大衆食」としては、アメリカならやはり「ハンバーガー」でしょう。
勿論アメリカにも「味噌」や「ラーメン」はありますし、
「miso ramen(ミソラーメン)」自体知っている人は知っていると思いますが、
日本人が感じる「ミソラーメン」という単語に対する印象に「より近い」のは、
アメリカ人にとっては「burger」の方なのです。
「burger」の方が、アメリカ人には「よりピンときやすく一般的」であり、
「miso ramen」よりも「日本人が受けるミソラーメンの印象」に「より近い」存在なわけです。
そして「Maya Fey」という人物自体が「アメリカ社会の住人」である以上、
「burger」が大好物、という設定にした方が違和感がありませんね。
もし北米版でも日本版そのままの「miso ramen」だった場合、
日本版で例えるならば
「綾里真宵の大好物はクラムチャウダー」というくらいの違和感です。(笑)
もしこうだったら、日本人でも知っている人は知ってるけど、
なんだソレ?とピンとこない人も多いかもしれませんね。^^;
そもそも「綾里真宵(Maya Fey)」の人物設定から大きく逸脱してしまいます。(笑)
(この辺は未プレイの人では分からない感覚だと思いますが。^^;)
それでは次に、別の場面の解説です。
Phoenix
「The clock wasn't three hours slow, it was nine hours fast!」
フェニックス
「時計は3時間遅れていたわけではなく、9時間進んでいたのです!」
この場面は、前回のエピソード1で「凶器であるシンカーが3時間遅れていたこと」に対して
フェニックスが説明した場面です。(詳しくはこちら。)
上記の場面のセリフは、
シンカーの持ち主である被害者が「海外との時差」を直していなかった、と言っている場面であり、
被害者が旅行した先は「フランスのParis(パリ)」でした。
日本とパリの時差は「約8時間」。
上記セリフで「9時間の時差」と言っている以上、ここからも「舞台は日本ではない」ということがわかりますね。
一方上記のセリフ通り「パリと約9時間の時差がある」アメリカの地域は「西海岸」であり、
もっと具体的に言うと「カリフォルニア州近辺」ということになります。
アメリカはその国土が非常に広いため、国内にも時差があります。
「パリと9時間の時差がある」のなら、「そこはアメリカ西部である」とハッキリ特定することが出来ます。
すなわち「フェニックスたちが生活している都市」は「アメリカ西海岸」に在るということになります。^^;
マジッスか!!
…ちなみに「Ace Attorney Wiki」によれば「Los Angeles(ロサンゼルス)」なのだそうです。
「ロサンゼルスだ」とハッキリ言い切っています。(笑)
ロサンゼルスだとする根拠についてはよく分かりませんでしたが、
現時点で詳しく調べるつもりは毛頭ありません。(笑)
…もしかしたら、この後劇中で何か説明があるのかもしれませんしね。
…それにしても、日本版をプレイ済みの私としては
舞台はアメリカ西海岸!
カリフォルニア州ロサンゼルスだ!
という設定に、なんかすごい違和感を感じてしまいます。(笑)
以上のような北米版ならではの変更点が、おそらくこれからも数多く登場すると思います。
ほんと、非常に楽しみです。(笑)
さて、それでは解説はこのくらいにして、
次回はゲームに戻って「法廷パート再開」の場面からスタートしたいと思います。
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